2005年06月04日

墨閑話 其乃肆

水に恵まれたにっぽんに住んでおりますと、墨を磨る際にとりわけ水質に気を使うと云ふコトは少ないやふですが、コレが処変わると一大事となります。

当方がかつてお仏蘭西に住んでおりました折、数ヶ月の間、スイス国境沿いに近い、アルプス地方に滞在していたことがありました。

書道ワークショップをすることとなり、展示用に作品を書くこととし、硯で墨を磨った時のコト。

妙にゴリゴリする、、のです。

にっぽんに居る時から使い慣れていた硯、墨で、明らかに様子が違う。筆をしみ込ませ、紙に書いてみると、滲みが拡がらず、なにやら濁ったやふな。

更に、墨磨液を置いておくと、表面になにやら膜のやふなものが浮かぶのです。

石灰分です。

スイスとの国境沿いに近いアルプス地域はお仏蘭西の中でも特に硬水地域。マグネシウムやカルシウム分が多いのです。ヨーロッパの中では多いですが、水道水から水を汲み、お湯を湧かすと表面に白いものが浮かび上がり、驚いてしまふ程。

水の硬度が高くなると墨磨液の暢びや分散が悪くなります。石灰分が表面に浮かんでくるくらいなので、運筆に多少鈍さを齎してしまいます。紙面に載った墨の色は、黒の感じが濃いめ、といふかトンがった印象となります。

何よりも驚くのは、筆がゴワついてくるコトなのですねイ。

このお仏蘭西の中でも、地域によっては、水の硬度が低くなり、軟水に近くなるところもありますので、その地域のミネラルウォーターを購入して墨を磨るやふにしました。

筆を洗う時には、水道水からの硬水を使わざるを得ません。どうしませう。

よく墨を落としきった後で、硬度の低いミネラルウェーターで「リンス」致しました、、、

今でもその筆を使用しておりますが、問題はないです。
硬水を使うことにより、予期せぬ墨の表現が生まれるコトもあるかもしれませんので、善し悪しは控えたいところでは御座いますが、、

やはりにっぽんの水は有り難ひ、と痛感した次第でアリマシタ。


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posted by ろゆふ at 10:02| Comment(10) | TrackBack(0) | 文房四宝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やっぱりお仏蘭西のミネラルウォーターはEVIAなんとかですか?水によりそんなに違うとは驚きです。有難いですね。日本の水。
Posted by 陶器屋 at 2005年06月04日 16:00
硬水と軟水の違いとは,おもしろいですね。水によって墨色が変化するとは聞いていましたが,硬水,軟水による違いもあったのですね。
Posted by tianpian at 2005年06月04日 17:42
買出しに行ってきました。
帰宅時、雷&雨に遭遇!ルン♪

ウンウン…水ってステキよねぇ、おもしろいですよねぇ、
大切ですよねぇ。
おぉ!ミネラルウォーターでリンス!φ(..)メモメモ
薬味…(>_<)
最近のわたしは、ゴーヤや、
野菜サラダ等と一緒に食べることが多いです、お豆腐。
いけない、イケナイ…(>_<)
書の話題から食の話題へ移行してしまっていますね。
ごめんなさいm(__)m
Posted by juri at 2005年06月04日 18:16
>陶器屋さま

「EVIAN」は丁度アルプス地方の硬水ですねイ。にっぽん人にとっては、些か味がキツいと思ったり、、如何でせう。
お仏蘭西は東側はかなりの硬水地域で、中部から西側になると、水の硬度が若干落ちるやふです。
最近にっぽんでも知れるやふになった「ボルビック」と云ふものがありますが、コレは割と柔らかめの水です。
コレで墨を磨ってオリマシタ。
Posted by ろゆふ at 2005年06月04日 19:16
>tianpianさま

初めまして。やふこそお越し下さひました。
恐らく、にっぽんの中でも、地域によって水の硬度は若干違うとは思いますので、墨の磨り味に多少なりとも影響すると思います。水自体の成分が違うでせうし。
水道水と井戸水の違いだけでも、墨の発色は変わりますよね、、都会の水質も良くなって欲しひ、、
Posted by ろゆふ at 2005年06月04日 19:22
>juriさま

御帰りなさひませ。
雷の中のご帰宅、御無事でなによりで御座ゐます。
と、危険と思いつつ、雷好きの当方、、窗から空を眺めてオリマシタ。

食の話題、大歓迎で御座ゐます。
ゴーヤと豆腐、合いますねイ。
ついでに海藻類を加えるのが好きでアリマス。
因みに当方は冷や奴にジュンサイをみじん切りにして、鰹節、葱と合わせて薬味にするのが好きであります。彩りに紅生姜。

では、晩飯のお時間ニテ。
Posted by ろゆふ at 2005年06月04日 19:28
☆ろゆふさま☆

はじめまして ( …でもないですね ) m(_ _)m
とうとう、やって参りました \(^0^)/

墨のことですが、水の質によって、墨の具合が変わるとは驚きです。
でも、硬質・軟質があるぐらいだから、変わっても不思議ではないんですよね。
でも、今まで何気なく、当たり前のように磨っていたので、ひとつ勉強になりました。
Posted by 桃童 at 2005年06月05日 09:03
>桃童さま

やふこそやふこそ。大歓迎で御座ゐます。

墨と硯の関係はよく云われることでは御座ゐますが、水との関係については、にっぽんに於いては、さほど気にしなくてもほぼ無難に済むコト。当方も外へ出てみて、実感したといふだけのことでアリマス。お目を通して下さり、感謝。

またお気軽にお気楽に遊びにいらして下さいまし。
お待ち致しておりまする。
Posted by ろゆふ at 2005年06月05日 09:45
すごいですね。水によって、そんなに変わるなんてびっくりです!やっぱり墨は中国とか日本とかの水に合うように作られているんですね。
Posted by ふう子 at 2005年06月05日 11:13
>ふう子さま

やふこそやふこそ。
水は侮れないですねイ。陰の存在乍ら、にっぽんの水ならではこそ、にっぽんの書があるのでせう。
中国ですと、あれだけの広い国ですから、水の硬度もかなり様々でせう。中国はにっぽんと違って水の硬度が高いさふですが、その中国ならではの墨と水のバランスがあるやふです。
Posted by ろゆふ at 2005年06月05日 18:07
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